以前より取り上げてみたいと思っていた
ゼビオ株式会社のグループ経営に対する取組み事例を
今回はご紹介したいと思います。
ご紹介にあたっては、
同社の適時開示資料内容をもとに、
加工・編集をさせていただいております。
2014年7月3日適時開示資料より
●平成26年6月27日開催の取締役会において、
グループ内子会社(子会社)を機能毎に統括する方針を決議。
●グループガバナンスの体制強化に向けた取組みを実施する。
<背景>
●事業領域拡大に向けて、
特色のある企業を対象としたM&Aや
新規事業への取組みを積極的に行ってきた。
●その結果、グループは、
前連結会計年度末時点(2014年3月末)で、
関係会社が20社の企業集団となっている。
●更なる業容拡大を進めていく上で、
・子会社各社が企業グループ内において担う役割の明確化
・更なるガバナンス強化
が必要不可欠と判断
●グループ企業を機能ごとに統括する運営形態に
再構築することにした。
<目的>
①ガバナンスが効果的に発揮されるグループ組織の構築
②類似事業のグルーピング化によるガバナンスの強化
③子会社の企業カルチャーを尊重させつつ、
シナジー効果を最大限に発揮できる企業グループの形成
④子会社の企業グループ内における役割の明確化
<取組方針>
●グループ内の子会社群を、
グループ内で担う機能から6つのグループに分類し、
その中心となる会社(中核子会社)を選定する。
●選定した中核子会社を中心に、
資本関係やグループ企業間業務移管による集約、
ガバナンスを考慮した役員人事を行う。
●機能別統括体制のもと、
それぞれのグループが営業・ガバナンス機能を発揮できる
グループ運営形態を再構築していく。
●当連結会計年度内(2015年3月期)での
早期完了に向けて、本日より段階的に実行。
2015年1月30日適時開示資料より
取締役会において平成27年10月1日を目処に
・会社分割の方式により持株会社に移行すること、
・分割準備会社として100%出資の子会社を設立すること
を決議した。
<持株会社体制への移行目的>
●事業シナジーの最大化とグループの健全な成長を促す
ガバナンス体制を確立する。
●この体制のもと以下の経営戦略を実行する。
①事業環境の急速な変化への迅速且つ適切な対応
②既存事業領域における絶えざる変革と業容の拡大
③関連する事業領域での国内外の有力企業との提携
④M&Aの推進
<グループガバナンス体制の考え方>
●以下を実現するグループ経営体制として、
純粋持株会社化が最適であると判断した。
①適正規模でのグループ化と権限・責任の明確化
②各事業領域における専門性追求と有機的なシナジー効果の発揮
③機動的で迅速な意思決定
④グループ統制とガバナンス強化
●グループの成長とともに、
将来、発生が懸念される
・グループ内での役割と機能の重複や分散
・担当領域の拡張による管理精度の低下
について未然に防止し、
持続的なグループ企業価値向上を図る。
●2014年年7月3日に公表した
「中核子会社を活用したグループガバナンス体制」を、
より機能的に発展させたものと位置づけている。
2015年9月15日適時開示資料より
●2015年10月1日から持株会社体制に
移行する準備を進めてきた。
●本日開催の取締役会にて、
持株会社体制移行後のグループ組織体制並びに
グループ経営体制(コーポレートガバナンス)の変更
について決定した。
<過去の決定内容の変更について>
●持株会社体制移行後の
グループ組織体制持株会社体制移行に伴い、
平成26年7月3日に公表した
「グループ内の子会社群の分類に用いた機能」
「その中心となる会社と位置付けた中核子会社」
について変更した。
●持株会社の下に位置する
各中核会社の機能は以下の6つに分類する。
(1)全国展開の大型総合スポーツリテール
(2)首都圏及び特定商圏に特化した総合スポーツ リテール
(3)中古ゴルフ事業 & ゴルフ練習場事業
(4)マーケティングエージェント
(5)海外窓口業務及びR&D業務
(6)グループコーポレート業務受託事業
●中核子会社は資本関係に捉われることなく、
機能別にグルーピングしたチームのHQとして、
グループのシナジー効果を発揮しながら、
事業運営責任を果たす位置付けとし、
チーム内のその他子会社に関する
管理責任と権限を有する。
●この組織体制下、これまで以上に
グループ経営全体の迅速性と透明性を高め、
一層の企業価値向上と収益拡大を目指す。
<新たに付加するガバナンス機関>
①アドバイザリーボード
当社グループの中期ビジョン達成に向けての
・経営課題
・コーポレートガバナンス
・グループが解決していきたい社会的課題への取り組みやその方向性
について、
幅広い見識を持つ社外有識者から
意見を得ることを目的として設置する。
②コンプライアンス委員会
各会社に設置している
コンプライアンス推進機関を総括的に管理し、
各社状況の確認と指導、
並びに各会社で発生する事例を共有することで、
グループ全体として更なるコンプライアンスの推進を
担うことを目的として設置する。
③ガバナンス委員会
グループの持続的な成長と
中長期的な企業価値向上に重要な事項について、
実効性のある議論を行う場として、
代表取締役と独立社外取締役及び独立社外監査役で
構成される諮問機関を設置する。
④グループシナジー検討会
グループ各社が、経営の独立性を保ちながらも、
連携・連動を通じてグループシナジーを発揮、
グループ最適のスポーツコングロマリット構想の実現が進んでいるかを検証し、
その結果を取締役会に報告することを目的として設置する。
⑤プロジェクトチーム
個別の経営課題について、
グループ経営会議メンバーの要請により
テーマ毎に最適な人員をグルー プ各社から招集、
グループ横断的視点で解決の為の施策等を、
グループ経営会議に答申することを目的として設置する。
Review
経営判断の過程もわかり、
とても興味深い事例だと思います。
長くなりましたので、
レビューについては
次回に書いてみたいと思います。