経営を実践するにあたって、
顧客の定義を明確にすることの大切さは、
改めてお伝えするまでもないと思います。

経営で重要な要素は、
「誰に」「何を」「どのように」
提供するかです。

このうちの「誰に」の部分が
「顧客」
ということになります。

やはり、経営の出発点は、
この「誰に」を明確にすることだと思います。

もっと言うと、
「何に困っている誰に」
です。

Vol.81(4)

ここが明確でないなかで、
残りの「何を」「どのように」を明確にするのは、
難しいからです。

経営者として、
自社におけるこの「顧客の定義」を
即答できない場合は注意した方がよいです。

経営者が即答できないということは、
社員は間違いなく即答できません。

顧客の顔が明確になっていない社員では、
アプローチすべき顧客に
アプローチができていない可能性もあります。

また、
自社のサービスで
顧客のどのような困りごとを
解決してあげられるのかを
説明できていない可能性が高いです。

このような組織では、
有効な営業戦略を
立案することも、実行することも、
難しいはずです。

もし「顧客の定義」が
曖昧であることに気づかれた場合には、
まずは社長自らが
「顧客の定義を言語化」
するところから始めてください。

組織内に浸透をさせていくには、
最低限、言語化されていることは、
不可欠な要素ですので。

Vol.43(2)

そして、
ここからが前回の続きです。

グループ経営者に1つ質問があります。
「グループ顧客の定義は明確になっていますか?」

1つの会社のときは、
顧客の定義が明確になっていても、
複数会社化し、グループ会社が増えるにつれて、
この「顧客の定義」が曖昧になっていくことが
よく起こりがちです。

グループ経営になっても、
「誰に」「何を」「どのように」
について明確にすることの重要性は
変わりません。

むしろ、
複数会社化することで
曖昧になりがちなことを考えると、
明確にすることの重要性は
より高くなると言ってもよいでしょう。

もし「グループ顧客の定義」が
曖昧になっているようであれば、
きちんと「言語化」しなおして、
グループ全体に浸透をさせてください。

Vol.27(3)

そして、
その際に注意していただきたい点が
2つあります。

1つは、
Vol.81 グループ顧客戦略①
でお伝えした通り、
グループ会社を増やしたとしても、
「グループ顧客の定義を広げないこと」
です。

そしてもう1つあります。
それは、
「グループ会社が顧客にならないようにすること」
です。

グループ会社が増えていくにつれて、
グループ内取引が増えていくことがよくあります。

グループ内取引の中には、
「グループ会社間で受注・発注をする」
という関係が生まれることもあります。

Vol.42(4)

こうなると、
「直接的な顧客=グループ会社」
と考えるグループ会社が出てきます。

確かに
直接的な顧客はグループ会社かもしれません。
これ自体は間違っていません。

但し、
注意していただきたいのは、
「真の顧客≠直接的な顧客=グループ会社」
ということです。

グループ内でいくら
売上・仕入を増やしたとしても、
グループ全体での売上や利益は増えません。

実態としては、
グループ内で商品等が移動しただけです。

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とはいっても、
実際には「直接的な顧客」に
どうしても目を奪われがちです。

グループ組織は自然と
「直接的な顧客=グループ会社」
の方を見て仕事をするようになります。

それを避けるためには、
グループの経営者が意識的に、
「真の顧客≠直接的な顧客=グループ会社」
であることを発信し続ける姿勢
が重要です。

グループ内取引は、
見かけ上は「売上」「仕入」であっても、
グループ全体でみると、
「グループ内取引=コスト」
でしかないことを組織内に浸透させてください。

社長として、
「グループ内取引からは利益は生まれない」
ということを、
繰り返し組織内に伝えてください。

すべてのグループ会社が、
「グループ外の真のグループ顧客」
の存在を日頃意識しながら
仕事をできるような仕組みを
是非構築してください。

Vol.26(4)

とはいっても、
このような意識を組織内に浸透するのは、
難しいと思われるかもしれません。

そのように思われる社長には、
「ホールディングス経営」
の仕組みを有効活用する手法を
お伝えしています。

この仕組みについては、
Vol.42ホールディングスでグループ顧客の見える化
でもお伝えしていますので、
是非そちらもご参照ください。

いずれにしましても、
グループ経営における顧客戦略のスタートは、
経営者自らが
「グループ顧客の定義を明確にすること」
であることを肝に銘じておいて
いただければと思います。