企業を複数会社化したときに
よく問題になることがあります。

それは、
「情報をどのように吸い上げるか」
という点です。

とくに「数値」情報を集める仕組みをどのようにするかは、
複数会社経営において重要なテーマです。

たとえ、やっている事業自体はそれほど変わっていなくても、
会社が分かれると、独自の組織文化が
できあがっていく傾向があります。

グループ各社が独自に進化していくこと自体は、
歓迎すべきことでありますが、
グループ会社としての管理手法ついては、
最初にきっちりと仕組みを作っておかないと、
後でかなり苦労します。

ホールディングス経営の場合には、
ホールディングカンパニーが
この仕組みを率先して作ることとなります。

つまり、
・各子会社から数値情報を吸い上げる
・吸い上げたデータをグループ全体に集約する
という仕組みです。

Vol.37(4)

各社の数値を集約することを考えるうえでも、
「数値情報の吸い上げ方」には工夫が必要です。
どのような吸い上げ方でも良いわけではありません。

経営者であれば、
このような経験はないでしょうか?

たとえば、
いろいろ情報がバラバラと上がってきて、
・見方がわからない
・どこを見ればよいかわからない
・そもそも見る気がしない
・どうでもよい情報が多すぎる
といったようなことです。

1つの会社であっても起こり得るようなことです。
複数会社に分かれ場合には、
さらに情報のバラバラ化が進みます。

Vol.37(5)

ホールディングス経営は、
各子会社に任せる範囲が増えることが多くなりますが、
放っておくといろいろなスタイルの管理方法が
出来上がってしまい、収拾がつかなくなります。

このようなことを避けるためにも、
複数会社化をする場合には、
管理方法については、
できるだけ標準化できるように
当初よりデザインをしておくことが望まれます。

このときポイントになるのは「経営者視点」です。

結局、経営者として、
グループ全体の現状を正確に把握できなければ、
適切な意思決定・経営判断はできません。

そして、
どれだけ重要なデータであっても
経営者の意思決定や経営判断の材料として
活用されなければ意味がないのです。

ということは、
・経営者が見たい数値を
・経営者が見やすいフォーマットで
情報を吸い上げられる仕組みを
構築しておく必要がある、ということです。

Vol.37(3)

数値情報も人によって
気にするポイントは様々です。

情報が多ければ良いというものでもありません。
多すぎる情報は、大切な情報を埋没させますので。

また、個人的には、
フォーマットもとても大切だと思っています。

全く同じ情報が書いてあっても、
フォーマット次第で、
見る気が起きるかどうかは人によって様々です。
たとえば、色使いもそうです。

形を重視過ぎるのも良くないかもしれませんが、
現実問題として、
経営者が見る気がおきない資料では、
適切な経営判断に使われづらいといえます。

連結グループ経営に成功している会社に共通するのは、
このグループ数値管理の前提となる、
「数値の吸い上げ方がとても上手」
という点です。

フォーマットや色使いもできる限り
統一がされていますし、
重要数値が埋没しないように工夫をしています。

経営者はあらゆる種類の膨大なデータや資料に
目を通すことになりますので、
瞬時に大事なポイントが目に入ってくるように、
工夫がされているのだと思います。

これから連結グループ経営の仕組みを
構築していこうとする
小さな会社や中小企業の経営者は、
是非、この点を意識していただきたいと思います。

そのうえで、経営者は、
・自分が必要とする数値指標・データ
・自分が見やすいフォーマット
について、意志をもって、きちんと指定をしてください。

Vol.37(2)

経営者の明確な意志をもとに
ホールディングカンパニーが
意思決定や経営判断に使える数値情報を
吸い上げる仕組みを考えていくことになりますので。

そして、この仕組みができることで、
グループ組織内において
・グループ内共通言語としての「数値指標」
・グループ内共通言語としての「フォーマット」
が出来上がります。

数値指標やフォーマットも「共通言語」の
重要な要素を構成します。

この「グループ内共通言語」ができることで、
グループ内のコミュニケーションの質が上がり、
情報を吸い上げるだけでなく、
情報を伝達することも
スムーズになるはずです。