連結グループ経営を実践していくうえで、
グループのなかは、
親会社と子会社に分かれていきます。

もともと1つの会社で実施していた事業を
子会社の方へ分社化して
親会社と子会社が分かれる場合もあります。

また、新規事業として、
別会社として子会社を設立して、
一部の社員を子会社へ転籍させたり、
出向させたりする場合もあります。

グループ経営を目指す経営者は、
グループ会社が一体となって
前に進んでいくことを望むかもしれません。

Vol.10

但し、法人格が複数に分かれると、
思うようにいかないことも実際には多くあります。

これまで同じ会社で働いていた社員も
親会社と子会社に分かれて働くようになると、
自然と「上下関係」ができてしまうのです。

同じグループに所属していても、
親会社であるのか、子会社であるのか、
この違いは大きな違いとなります。

もしかしたら、社長としては、
親会社、子会社の違いを
意識しないかもしれませんが、
社員の方は異なります。

どうしても
・親会社=上
・子会社=下
という認識が自然と出来上がります。

そして、注意が必要なのが、
親会社側にいる社員は、
自然と「上から目線」になってしまうことが
多いのです。

Vol.24(1)

同じ会社内のときはそうでなくても、
資本関係上、
親会社と子会社とに分かれた時点で、
無意識のうち目線が変わってしまうのです。

この目線は
次第に組織風土になってきますので、
少しやっかいです。

徐々に親会社の社員は、
子会社の社員の気持ちを
理解してあげられなくなってくる
可能性があります。

一方で、子会社側の社員は
どのような気持ちをいだくのでしょうか?

こちらも面白いもので、
自然と「下から視線」になっていきます。

それどころか、
親会社のことをうっとうしく
思うようになってきます。

また逆に、苦しい時には
安易に助けを求めてくるような
ケースもあります。

当然同じグループ企業間で
助け合う姿勢は重要なのですが、
悪い依存関係になってしまうと、
お互いの会社にとって好ましくありません。

結局、
1つだった会社を複数にするという行為は、
経営者が想像している以上に、
「グループ会社間の壁ができる」
リスクがあるということです。

Vol.24(2)

この「グループ会社間の壁」は、
同一会社内の「事業部間の壁」以上です。

だからといって複数の会社に分けることが
悪いわけで当然ありません。

企業が成長していくうえで
複数会社化は避けられない事実です。

だからこそ、経営者の皆さまには、
事前に複数会社化のリスクを想定したうえで
複数会社化に取り組んでいただきたいと思います。

連結グループとして経営し、
連結グループ企業価値を最大化していくうえで、
子会社の成長は不可欠です。

親会社としては、
子会社が成長できるための環境を整え、
フォローし続ける姿勢が重要です。

Vol.24(3)

そのためには、
親会社が「上から目線」になり、
子会社側の気持ちを理解してあげられない
グループ風土にしてはいけません。

親会社として、
どのような姿勢で、
どのような気持ちをもって、
子会社に関わってあげられるのか。

抽象的なように思われるかもしれませんが、
このマインドはグループ内に伝染しますので、
とても重要なテーマだと思います。

経営者の皆さまには、
親会社としての姿勢についても、
意識すぎるほど意識しておいて
いただきたいと思います。