※平成28年4月18日にワイエイシイ株式会社より適時開示されている「持株会社体制への移行に係る検討開始について」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行の検討開始

開示概要

●本日開催の取締役会において、
グループ経営を高度化させ、競争力、収益力を高めるため、
平成29年4月より持株会社体制に移行する方向で
検討を開始することを決議した。

持株会社体制移行の背景と目的

●同社グループは、ハイテク関連事業を中心とした
積極的なM&A戦略により事業規模の拡大を図ってきた。

●その結果、
グループ各社のグループ全体への貢献度
大きいものとなってきている。

●このような状況下、
ワイエイシイ本社を「持株会社」「事業会社」に分離し、
持株会社体制に移行することにより、
それぞれ以下のような方向を目指すことができる。

事業会社
独立性を強化し中長期的戦略にたった事業運営により、
事業規模の拡大、収益力の強化を期待できる。

持株会社
傘下の事業部門から離れたグループ戦略をとることが可能となり、
事業ポートフォリオの最適化
新規事業の開拓M&Aの機動的対応
が可能になる。

●結果として、グループガバナンス強化
グループ企業価値の向上を狙いとするものである。

持株会社体制への移行方法

●会社分割等の方式により、持株会社と事業会社に分割し、
持株会社の傘下に、分離した事業会社と既存のグループ会社を置く形を想定。

●臨時株主総会の開催により、詳細の承認を得ることを検討。
具体的な内容については、今後検討を進め、決定次第改めて報告する。

Review

今回は、
「ワイエイシイ」の事例ですが、
ホールディングスの形については、
これから具体的な検討を開始する、
という段階での事例です。

 

同社については、
私はあまり詳しくなかったこともあり、
基本情報として、
平成27年3月期の有価証券報告書で
グループ業績を確認してみますと、
以下の通りです。

———————————–
・連結売上高:約160億円
・連結経常利益:約10億円
・グループ従業員数:約500人
・子会社等:13社(うち海外5社)
———————————–

 

メイン事業は、
「産業用エレクトロニクス関連事業」
ということで、
BtoB型の事業になると思います。

また地域別の売上高を見ると、
日本と海外が約半々といった感じで、
若干、日本国内での売上が多いといったところです。

ただ、ここ最近、
海外(アジア)の売上の伸びが高いので、
そのうち海外比率が日本比率を
上回るようなペースのようです。

 

同社の過去の組織変更を確認してみると、
約1年前の平成27年3月30日に、
「組織変更・役員異動および重要な人事に関するお知らせ」
という開示がなされています。

その要旨は、

——————————————
①各事業部の分類方法を変更する。
②社長室を「経営戦略本部」に改め、
 同本部内に以下を設置する。
 ・経営戦略部
 ・グループ会社統括部
 ・事業調査部
 ・秘書室
——————————————

といったものでした。

 

ここで注目していただきたいのは、
上記の②の部分です。

つまり、新たに、
・経営戦略機能
・グループ会社管理機能
・事業調査機能
といった機能部署を設置している点です。

 

今回の同社のホールディングス化の背景にも記載がありましたが、
同社グループは、積極的なM&A戦略により
事業規模の拡大を図ってきた最近の経緯があります。

その結果として、
グループ各社のグループ全体への貢献度が
大きくなってきていることや、
海外比率が急速高まっていることもあり、
戦略的にグループ経営する必要性を
徐々に感じていたのだと思います。

 

そこで約1年前に、
「経営戦略本部」という機能を親会社内に設置し、
そのなかで、グループ経営戦略立案や、
グループ会社管理の役割を担うように
グループ組織デザインを変更したということだと思います。

 

それから約1年が経ち、
今回「ホールディングス化」を目指すという
宣言がなされました。

おそらく1年前の組織変更で
「経営戦略本部」の役割を明確にし、実践していく中で、
さらに、この機能の追求をしていくべき、
という結論に至ったのだと思います。

 

約1年前に設置した「経営戦略本部」の機能が、
持株会社(ホールディングカンパニー)の役割に
受け継がれていくのは間違いないでしょう。

つまり、この1年間が、
グループ経営の専門化の「助走期間」であり、
今後は「ステップアップ」していくステージに
移行することになります。

 

同社のように、
ホールディングス化する前に、
今ある親会社のなかで、
「ミニホールディングス機能」的な部署を作り、
助走期間を設けるという形も
実務的には有効なのではないかと思います。

★★★★★★★
ホールディングス経営への
スムーズな移行に向けて、
何から始めますか?
★★★★★★★