多角化といっても、
いろいろな多角化があります。

多角化戦略については、
いろいろな分類をされることが多いですが、
大きく分けると、
①「既存ノウハウ」を「別の市場」へ持ち込む
②「既存の市場」に「新たなノウハウ」を持ち込む
のどちらかになるのが、
一般的だと思います。

 

新しいノウハウを使って、
全く未知の市場を開拓していく、
といったケースは稀と言ってよいです。

もし、あり得るとしたら、
すでに成功しているFCに加盟するケース
くらいでしょうか。

そのようなFC加盟でない限りは、
既存で持っている
「ノウハウ」か「市場」の
どちからを活用するのが通常でしょう。

Vol.81(3)

このような既存のノウハウや市場を活用した
多角化を進めていくにあたって、よく行われるのは、
別会社を設立して事業をする形です。

既存の市場やノウハウを
活用するのであれば、
既存の会社で実施しても良いはずですが、
なかなか、そのようなケースばかりではない、
ということです。

 

ただ、経営者としては、
この流れは直感的にご理解いただけると思います。

要は、多くの場合が、

—————————————
・独立採算管理をしたい
・既存事業と切り離して始めたい
—————————————

という思いから、
別会社スタートにするのではないかと思います。

 

それでは、
別会社でスタートする場合の「資本構成」は、
どのような場合があるのでしょうか?

これには、大きく分けると、
①オーナー個人が出資して設立するケース
②今の会社が出資をして子会社として設立するケース
の2つのがあると思います。

 

①のケースの場合は、
別会社の株主はオーナー個人となるため、
この別会社は、
グループ会社であるという印象が少し薄れます。

感覚的にはグループ会社だとは思いますが、
オーナー個人の別の持ち物といった印象でしょうか。

Vol.22(1)

一方、
②のケースの場合は、
別会社として設立しても、
株主にあたる法人(親会社)があるので
どうしても親会社の色が強くなると思います。

別会社として切り離しても、
どうしても親会社・子会社として
一体で見られがちになるからです。

Vol.22(2)

 

オーナー(社長)からすると、
①でも②でも実態は同じかもしれませんが、
現場の社員や外部者の感じ方は、
結構印象が違うものです。

 

どちらも良さはあります。

①のケースは、とくに、
「既存事業と切り離したい」
というニーズには向くと思います。

また、
グループ会社としての一体感
という点では②の方が勝ると思います。

 

また、形式的には、
資本構成をどうするかで、
税金のあり方や、
その後の資本政策が変わってきますので、
このあたりも留意しておく必要もあります。

 

結局、どのような組織デザインが
よいかはケースによりますし、
オーナーや経営者の好みによります。

ただ、多角化戦略と相性が良い
グループ組織デザインがあります。

それは、
———————————
多角化戦略と相性が良いのは、
「ホールディングス経営」の形
———————————

です。

Vol.7

 

ホールディングス形態は、
上記の①と②の中間のような形
と言っても良いかもしれません。

多角化する各事業会社の親会社として、
ホールディングカンパニーを置く形です。

 

ホールディングカンパニー自体は、
事業としての「色」があまりありませんので、
親会社の色が強くなる印象はありません。

さらに、
他の既存事業と並列的な形で
新規事業会社が存在することになりますので、
新規事業の影響が、
既存事業に直接的に及ぶことはありません。

オーナー個人が
ホールディングカンパニーの株主となれば、
オーナー個人で新規事業へ出資した形を
間接的に作ることもできます。

それでいて、
ホールディングカンパニーと
事業子会社との間には資本関係があるため、
グループ会社としての一体感も保てそうです。

また、多角化する際に、
他の会社をM&Aするケースもよくありますが、
そのような場合でも、
ホールディングカンパニーの下に、
買収会社をぶら下げることで、
きれいな形でグループ傘下に加入させることができます。

Vol.28(3)

 

上記の①でも②でも
ホールディングス経営でも、
実態はそれほど変わらないはずですが、
形式的には大きく異なるということです。

たかが「形式」ですが、
されど「形式」です。

ホールディングス経営は、
「形から入る経営」だと思っていますが、
経営者の強い意志が、
その「形」に込められた
グループ組織デザインだと思います。

★★★★★★★
多角化戦略するときの
グループ組織デザインはどうしますか?
★★★★★★★