中小企業経営者≒サンフレッチェ広島の森保監督?

毎年のように主力選手が流出していくなかで、
就任後の4年のうち、3度の優勝を果たした
サンフレッチェ広島森保監督

多くの高額年俸選手を
そろえているわけではありません。

そのようななかで、
結果を出し続ける森保監督の
チームマネジメントには、
経営資源が限られている中小企業経営者にとっても、
ヒントになる要素があるはずです。

ということで、
前回に引き続き、森保監督の著書
「プロサッカー監督の仕事」
から、ヒントになる部分を
採り上げてみたいと思います。

監督の仕事は「観る」ことから始まる

著書の第1章のなかに、
以下のようなコメントがあります。

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チームの中には
それぞれ違う感性やキャラクターを持った選手がいて、
それぞれが置かれた状況も千差万別です。

もちろんチーム全体として方向付けは必要ですが、
しっかりと個にフォーカスして、
対応してあげることが大切だと考えています。

そのために僕が選手にしてあげられること、
してあげないといけないことは、
何よりもまず「観ること」だと思っています。

自分が何か働きかけて変えてあげるというよりも、
とにかく単純にプレーを観てあげる。

そこから評価や指導につながっていくわけですが、
まずは観てあげないことには、
選手に何も言ってあげられません。

(P25より引用)
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このコメントの「選手」の部分を
「社員」に置き換えると、
まさに、
企業経営者の言葉そのもの、
と言ってもよいような気がします。

全員を観ていないのに評価はできない

その続きとして、
以下のようなコメントもありました。

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チームに在籍する全選手を「観る」ことは、
実はそれほど簡単ではありません。

プロチームという環境では、
試合に絡めている「主力組」と、
絡めていない「サブ組」の選手とに
どうしても分かれてきてしまいます。

それでも、時間が許す限りは極力全員を観る。
それは僕にできる最低限のことであり、
一番やらなければいけないことだと思っています。

~中略~

全員をちゃんと観てもいないのに、
使う選手と使わない選手に分けることは、
絶対に間違っている。
だから「使う選手」だけを観ることにはならないように
気をつけています。

(P25~P26より引用)
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企業においても、
社員を育成したり、評価するためには、
社員を「観てあげること」は不可欠です。

ただ、
組織構造上の問題や、
マネジメントの問題もあり、
「適切・正当に社員を観てあげられていない」
状況は多くの企業で存在します。

 

実際には、
簡単なことではないと思います。

それでも、
それをそのまま放置するのか、
森保監督のように、
「それは僕にできる最低限のことであり、
一番やらなければいけないことだと思っています。」
と考え、経営者として、
社員を観てあげる努力をするかどうかで、
社員のモチベーションは大きく変わってくるはずです。

見える化の仕組み=観ることを可能にする仕組み

社員数が増えれば増えるほど、
グループ会社数が増えれば増えるほど、
社員個々人のフォーカスをして、
きちんと「観てあげる」ことは、
難しくなっていきます。

社長1人ですべての社員を
「きちんと観てあげる」
ことができる規模は、
せいぜい10人~15人程度だと思います。

その規模を超えてくると、
どうしても「観てあげる」役割を
委譲していかざるを得ません。

 

但し、
「きちんと観てあげる」
ことは、結構高度な
マネジメントスキルが要求されます

それぞれの上司の個性に任せるだけでは、
「観る」レベルもバラバラになります。

「観てあげる」レベルが
組織として一定に保たれていないようだと、
社員の間では不満が出てしまいます。

このようなことを考えると、
グループ規模大きくなればなるほど、
「観てあげる仕組み」
の構築が必須になってくるはずです。

 

私は、常々、
「グループ全体の見える化」
の必要性をお伝えしています。

これは、
今回のテーマに置き換えると、

———————————————-
見える化の仕組み
=観ることを可能にする仕組み
———————————————-

と表現してもよいかもしれません。

 

サンフレッチェ広島のように、
強い中小企業に成長していくためには、
経営者として
「観ることを可能にするための見える化の仕組み」
の構築に取り組むかどうかにかかっている、
と言っても過言ではないように思います。