連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい知識の解説です。

はじめに

前回は「会計の世界」について、
簡単にお伝えさせていただきました。

今回はその続きとして、
「税務の世界」について
お伝えさせていただければと思います。

「税務の世界」の目的は?

私が勝手に、
「会計の世界」とか、「税務の世界」とか
といった用語使っていますが、
別にこのような用語が
あるわけではありません。

お伝えしたかった趣旨は、
「会計」と「税務」は、
一見同じ領域のように思われがちですが、
両者の間には大きな差があるので、
その「違いの存在」をお伝えしたかっただけです。

 

前回の中で、

—————————————————————
会計=企業活動の結果を定量化して表現すること
—————————————————————

と表現させていただきました。

 

ただ「会計」と一口に言っても、
いろいろな種類のものが存在します。

「税務の世界」を「会計の世界」の一部として、
「税務会計」といった表現も
されることもあります。

いろいろな表現の仕方があるのですが、
ここでは、

—————————————————————
税務=公平かつ正しい税金計算を実施すること
—————————————————————

と表現させていただきます。

これが「税務の世界」です。

「公平性」「正確性」

税金計算は、
各種税金に関する法律(税法・税制)に
従って実施されます。

各自が思い通りに
計算できるものではありません。

この税法・税制の考え方の
根底にあるのは
「公平性」
です。

公平の定義は、
人それぞれ異なりますが、
そのようななかでも、
税法・税制では「公平は課税」がなされるように
いろいろと定めを置いています。

そのうえで、
正確な税金計算のルール
定めています。

「税務の世界」と企業活動

このような「税務の世界」ですが、
一般的には、
税金が少なくならないような
定めになっていることが多いです。

国としても「税収」を増やしたいという
思いが当然あるのだとは思いますが、
それと同時に、
納税者が意図的かつ悪意をもって
税金を減らさないようにルールを厳しくしている、
といった感じです。

たとえば、
「役員報酬は変動させたら経費にできない」
「一定額以上の交際費は経費にできない」
といったような考え方も
そのルールの1つです。

勘違いをしていただきたくないのは、
これはあくまで「税務の世界」のルールだということです。

別に企業活動の中で必要であれば、
役員報酬を変動させることは自由ですし、
ガンガン交際費としてお金を使っても
全く問題はありません。

「税務の世界」では、
このような行為を禁止しているわけでは
決してありません。

要は、
「別に役員報酬を変動させたり、
交際費を使っても会社の自由だけど、
税金計算のなかでは『経費扱い』できませんよ」
と定めているだけなのです。

このあたりの前提が抜け落ちて、
会話がなされる場面も多いため、
経営者としては、
「税務の世界」の大前提を
まずは押さえておいていただきたいと思います。

企業活動の判断軸

企業活動は、
別に「税法・税務」を軸に
実施されるべきものではありません。

企業活動は企業活動、
税金計算は税金計算。

企業活動は
各社の経営理念に従って実施されますし、
税金計算は、
「公平かつ正しい税金計算」
という目的のもと税法・税制のルールがあります。

両者のベクトルは、
全く別物と言ってよいでしょう。

そのため、
「税法・税制で××だから、
経営として●●は実施してはいけない」
といった判断プロセスは、
本来はおかしな話です。

 

とはいえ、
実務現場で税法・税制を
完全無視した取り組みばかりを行うのは、
企業活動のマイナスになることも多く、
嫌でも意識せざるを得ません。

また、
企業活動において、
正しい納税をすることは義務ですので、
その点については、
十分に意識する必要があります。

 

お伝えしたいのは、

———————————————————————–
企業活動の経営判断と税法・税制は
全く別物であることを理解したうえで、
税法・税制によって自社に不利になることがないような
経営を実施していくことが大切である
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ということです。

次回

前回は「会計の世界」、
今回は「税務の世界」について
お伝えさせていただきました。

次回は、最後に
「会計の世界と税務の世界の違い」
について、
まとめてみたいと思います。