「業務の棚卸をして、
各社員の業務の見える化をしましょう」

最近の記事では、
業務の棚卸の必要性とともに、
そのポイントについて
いくつかお伝えさせていただいています。

業務の棚卸の必要性がわかっていても、
社員数が多ければ多いほど
大変な作業になってくるとは思います。

グループ経営となると、なおさらです。

このような容易ではない
業務の棚卸作業ですが、
そのポイントの1つとして、
「各社員の主体性」(参照:Vol.126 グループ社員の主体性)
という点を挙げています。

要は、
社員自らが自分事として捉え、
自己業務の棚卸作業をして、
自己業務を見える化することが
大切だということです。

この点について、
今回は補足的な意味も含めて
私の経験をもとに少し書いてみたいと思います。

 

実際の業務の棚卸に取り組むと、
気づくことがあります。

それは、
「多くの社員が、
自己の業務の棚卸を実はすでに実施している」
ということです。

どういうことかというと、
各社員は自分の業務について、
・To Doリストを作成する
・作業スケジュールを作成する
といった、
なんらかの整理を既に実施していることが多い、
ということです。

当然ですが、書式は様々ですし、
整理するポイントも様々です。

但し、
各社員は各社員なりに、
自分の業務を管理しようとしている、
ということは間違いなさそうです。

ただ1つ残念なことは、
「各自の管理に留まっていて、
組織的管理にはなっていない」
ということです。

 

私自身のことにおいても、
実はこのことを実感した経験があります。

私の事務所は
本当に小さな事務所です。

社員の作業の見える化をしなくても
だいたいの業務内容は
把握できているつもりではありましたが、
クライアントに指導している手前、
「自分自身でも一度やってみよう」
と思い、
社員に「業務の棚卸」を指示したことがあります。

それまで
何度か「業務の見える化」の
軽い要望は出していたのですが、
正式に指示したのは、
そのときが初めてでした。

業務の棚卸の趣旨と、
成果物のイメージを一通り伝えた後に
以下のことを言われました。

「そうですねよ、
業務を見える化することは重要ですよね。
実は、私自身でも、
近いイメージのデータを作っているんです。」

私は、
「そうなの??」
と内心驚き、データを見せてもらうと、
確かに近いイメージのものがありました。

そして同時に思いました。
「すでに存在するなら、
なぜもっと早く教えてくれなかったのだろう?」

また、
「社員は自分自身のために
きちんと自己業務の棚卸をしているものなんだな」
と改めて気づかされました。

 

確かに
クライアントで業務の棚卸や
業務フローを作成する、
といった取り組みをする際にも、
同様なシチュエーションは、よくあります。

そのような場面では、
「こんな資料があるんだったら、
早く見せてほしかった」
と、発言したことが何度もあります。

 

このような過去の経験と反省から、
思うことがあります。

「組織には、顕在化していないけど
貴重な『見える化資料』が各社員の中に眠っている。」

そして、

「その貴重な資料は、
通常は各社員から自主的に発信されることはない」

 

結局、
このような潜在的な「見える化資料」を
どれだけ表舞台に引っ張り出して、
組織全体として整理し、共有化していけるかが、
経営者としての重要な仕事のように思います。

何もしなければ、
このような貴重な資料は、
各社員の中に眠ったままであることは明らかです。

なぜなら、各社員ですら、
その貴重性を意識できていないからです。

 

このような状況は本当にもったいないと思いますので、
是非、すでにある日常のなかに埋もれている
「宝探し」をしてみてください。

何も新しいことばかりに目を向けなくてもよいことに
気づけるかもしれません。