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Vol.108 グループ経営資源の見える化①(顧客名簿1/2)

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グループ経営者として
適切な経営判断をしていくうえで、
「グループ経営資源の現状把握」
が大切である旨を、
前回お伝えさせていただきました。
(参照:Vol.107 グループ経営資源を見える化できていますか?

正確な現状把握無くして、
適切な経営判断はできないということです。

そこで、
今回から数回に分けて、
もう少し具体的に、
このループ経営資源」について
確認をしてみたいと思います。

まず最初に取り上げたい経営資源は、
「顧客との関係」
です。

商売をしていくうえで、
もっとも大切なものの1つが
「顧客」
になると思います。

この「顧客」との「関係性」こそ、
目には少し見えづらいものではありますが、
収益獲得の直接的な源泉であり、
重要な経営資源といえるでしょう。

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余談ではありますが、
国際的な会計基準(IFRS)を
採用している会社では、
この「顧客との関係」を、
会計上の資産として計上している会社もあるくらいです。

会計の話になると複雑化していくので、
今回は参考程度にとどめておきたいと思いますが、
会計上でも資産計上されるくらい
「顧客との関係」
は、重要な経営資源ということです。

それでは、
具体的にこの「顧客との関係」を
どのように見える化すればよいのでしょうか?

いろいろな考え方はあると思います。

ただ、
オーソドックスに考えると、
まず大切なのは、
「顧客名簿化」
になるでしょう。

つまり、
「顧客との関係を見える化したもの=顧客名簿」
ということです。

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もしかしたら、
「顧客名簿はどこの会社でも作られているよ!」
と思われるかもしれませんが、
これが意外と作成されていません。

また、
顧客名簿が作成されていたとしても、
情報が不十分であったり、
社内共有化(社内データベース化)されておらず、
社内の経営資源と言いづらい状況の会社も
実は多いです。

大切だとわかっていても、
整備が進まないもの。
これが「顧客名簿」の不思議なところです。

とくに
小さな会社や中小企業では、
会社として顧客情報を管理できていない会社は、
かなり多いと思います。

つまり、
営業マン個人としては、
なんらかの形で顧客情報を管理していても、
それが組織ノウハウ化されていない、
という状況です。

これでは、
せっかくの経営資源が
個人所有物になってしまい、
組織としての経営資源とは言い難い状況です。

このような状況を放置すると、
・担当者の退職とともに顧客との関係が切れる
・担当者の変更とともに顧客との関係が薄まる
・同じ顧客へ複数担当者が同様なアプローチをする
・担当者の能力によって顧客との関係が変わる
・各担当者の営業活動状況がつかめない
といったような弊害が生じてきます。

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そのため、
経営者として、まず実施すべきは、
「組織としての顧客名簿の整備」
です。

「顧客との関係」という
とても重要な経営資源を、
個人任せにせず、
会社として管理できるようにしてください。

そのうえで、社内に、
「顧客との関係=会社の経営資源」
という認識を浸透させていく
必要があります。

但し、
この作業は容易ではないでしょう。

以下のようなイメージで、
地道に作業を進めていくしかありません。

<作業イメージ>
STEP1) 会社として正式な顧客名簿フォームを作成する(環境整備)
STEP2) 全社員に顧客名簿を記入してもらう(見える化)
STEP3) 各自の顧客情報を名寄せする(一元管理)
STEP4) 顧客情報を充実していく(資産価値のUP)
STEP5) 顧客情報をもとにした経営戦略立案(経営資源の活用)

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大変な作業だとは思いますが、
最も重要な経営資源であるからこそ、
面倒くさがらずに実施していただきたいところです。

このような面倒な作業を
きちんと実施していく会社が生き残っていけます。

なぜなら、
この顧客名簿は、
必ず売上として還元されてくる
確実な経営資源だからです。

 

そして、
最後にグループ経営の場合についての
考え方もお伝えさせていただきます。

グループ経営の場合は、
まず上記のSTEP1) において、
顧客名簿の「グループ統一フォーマット」
作成することがベストです。

また、
上記のSTEP3) においては、
グループ全体での名寄せをしていくことが
重要な視点です。

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1つの会社であっても容易ではないことを、
グループベースで実施するのは、
かなり大変なはずです。

それでも、
やるだけの価値が必ずあります。

グループ顧客名簿をきちんと作成し、
更新していく仕組みを構築できれば、
グループ売上高は飛躍的に伸びていくでしょう。

グループ顧客名簿を通じて、
グループ顧客が見える化できれば、
グループ経営戦略・営業戦略が明確になるはずです。

グループ顧客名簿は、
グループシナジーを生み出し、
他社との大きな差別化を実現してくれます。

「グループ顧客名簿管理の仕組みづくり」
グループ経営者としては、
なんとしてでもやり遂げていただきたい仕事です。

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