連結決算というと、
経理マンや会計士が連結決算書を作ること、
という程度の認識の社長が多いです。
つまり、
「連結決算=たんなる専門的な作業」
と考えられています。
確かに
実際に連結決算書を
作成する部分の仕事だけを見ると、
そのような側面もあるかもしれません。
但し、
「連結決算」という業務を、
一部の専門職の仕事という
位置づけにしておくのは、
非常にもったいないと言えます。
連結決算を
十分に活用できていないからです。
実は、上場会社であっても、
このような状況はよく見かけます。
そのような上場会社は、
制度上、必要だから
連結決算を実施している、
というスタンスです。
社長や経営陣が、
できあがった連結決算書は見ても、
気にするのは、
売上高や利益だけ
といった状況もしばしばあります。
確かに
できあがった連結決算書は
1つの成果物ですし、
連結決算書を作れることは、
とても素晴らしいことです。
ただ、
連結決算書を作っただけで終わって、
それをグループ経営に活かせていなければ、
あまり意味がありません。
本当に意味のある
「連結決算」を実施していれば、
マネジメントの経営判断に役立ち、
現場を改善していける力を持っています。
連結決算を
たんなる「作業」で終わらせず、
グループ経営の仕組みに
組み込めるかどうか。
これが
成長し、永続していける
グループ企業のポイントになってきます。
前回の記事で、
「グループバリューチェーンの見える化」
の重要性について、
お伝えさせていただきました。
連結決算のプロセスでは、
当然、グループバリューチェーンを
見える化することも、
意識したものになるべきです。
繰り返しになりますが、
連結決算の仕組みを構築する、
ということは、
たんに連結決算書を作る「作業」のこと
ではありません。
グループバリューチェーンが見える化され、
適切な経営判断を下すことができ、
現場のオペレーションを変えていける、
このような「仕組み」こそが、
連結決算の仕組みなのです。
連結決算に取り組む場合には、
決して経理部や会計士だけの
「専門作業」にはしないで
いただきたいと思います。
グループ社員や現場を
連結決算の仕組みの中に
巻き込んでください。
連結決算の仕組みを通じて、
グループ全体を徹底的に見える化できるように
チャレンジをしていただきたいと思います。
グループ付加価値の見える化。
グループ人材の見える化。
グループ資金の見える化。
グループ顧客の見える化。
グループ組織知の見える化。
・・・
あらゆる角度で
グループ全体を見える化することで、
グループバリューチェーンも
自ずと見える化されてきます。
このようにして
グループ全体の現状を
正確に把握することができれば、
連結決算書を
グループマネジメントに活かすことも
できるようになるはずです。
是非、
「もったいない連結決算」
にならないように
留意をしていただきたいと思います。