連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい用語の解説です。

解説

株式上場をする際に、
意識する必要があるのが、
「連結の範囲」
という論点です。

この考え方は、
株式上場を目指す社長には、
是非覚えておいていただきたい論点です。

グループ経営をしている場合、
連結決算書を作成することが
上場会社には義務付けられています。

というよりは、
連結決算書の方が重視される
制度になっています。

そして、
この連結決算においては、
1つのルールがあります。

それは、
「すべてのグループ会社を
 連結決算の対象に含める必要がある」
というものです。

非上場会社であれば、
連結決算もある程度自由に実施しても
良いと思います。

たとえば、
Vol.54 社長のための連結決算とは?
の記事でも書いていますが、
上場していないのであれば、
かなり自由度をもって連結決算に取り組めます。

一方で、
上場会社となると、
各種法制度に従う必要があります。

この上場会社の法制度では、
赤字子会社であっても、
社長のプライベートカンパニーであっても、
基本的には、
連結決算の仕組みに組み込む必要があります。

「赤字の子会社を連結決算の対象に含めると、
数字が悪くなるから、対象から外したい。」
「プライベートの会社なので・・・」
といったような主張は
原則として通りません。

このように、
「どこまでの会社を連結決算の対象に含めるか」
というテーマが、
「連結の範囲」
と呼ばれるものです。

極端なケースでは、
持株割合的には支配しているように
見えない会社であっても、
実質的に経営を支配している会社があれば、
連結決算の対象に含めることさえあります。

一方で、
重要性が乏しい場合には、
連結決算の対象に含めなくても良い、
という容認規定はあります。

但し、あくまで「容認規定」です。

まずは、
上場会社の場合は、
原則としてすべてのグループ会社を
連結決算の対象に含め、
連結決算書を作成する必要がある、
と思っておいていただいた方がよいです。

このように、
株式上場すると、
いろいろなことが事細かに規定され、
従う必要が出てきます。

ときには、
経営者としては開示したくないことまで、
広く一般に開示する必要性も生じます。

多くの投資家を巻き込むことになるため、
いろいろな開示が求められるのです。

このような状況を窮屈に感じて、
株式上場をしていた会社が、
上場を取りやめる事例も近年では散見されます。

但し、
きちんとしたグループ経営を
している限りにおいては、
とくに気にすることなく、
すべてのグループ会社を連結決算の対象に
含めればよいだけです。

そして、
求められていることを
きちんと開示すれば問題ありません。

いずれにしても、
株式上場を目指す場合には、
上場前の準備が重要になると思います。

きちんとグループ化のデザイン」
事前に実施しておくことが重要になるということです。

とくに、
・連結の範囲はどこまでか?
・上場ルールでは、何を開示すべきか?
といった点は、
社長として事前に押さえておいた方がよいでしょう。

ちなみに、
社長の資産管理会社といった、
プライベートな会社であっても、
きちんとグループデザインができていないと、
必要以上な開示を要求される可能性もあります。

このようなことを避けるためにも、
株式上場する前に、
グループ全体のデザインをきっちりしておくことが、
望まれます。

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