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【用語】CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)

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連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい用語の解説です。

不十分なグループ資金管理

日本におけるグループ経営においては、
なかなか「グループ資金管理」という視点まで、
実践できていないことが多いです。

経営において「お金」の管理は、
不可欠な要素であるにもかかわらず、
グループ資金となると、
なかなかグループ最適な仕組み
構築できていないということです。
※参考:「Vol.140 どのようにグループ資金を管理していますか?」

 

今回は、グループ資金管理と関連して、
「CMS」
についてポイントを
簡単にお伝えさせていただきます。

CMSとは?

CMSとは、何の略語かというと、
「キャッシュ・マネジメント・システム」
です。

このCMSという単語が
どこまで一般専門用語として使用されているかは、
定かではありません。

グループ経営の世界では、一般的には、
「グループの資金管理をするITシステム」
のことを「CMS」と呼ぶことが
多いように思います。

 

このような
グループ資金を管理するシステムを
社内で開発することも考えられると思いますが、
一般的には取引金融機関が提供するシステムを
導入する例が多いと思います。

資金管理という意味では、
本来はグループ社内で資金マネジメント方針を作り、
実践していくべきものであり、
社内で独自のシステムを開発する方が
あるべき形だと考えています。

但し、
資金管理を実践していくうえでは、
お金の動きをコントロールしていく必要があり、
どうしても金融機関との連携が不可欠であることから、
金融機関が提供する「CMS」を
導入する傾向が強いようです。

CMSの基本機能

金融機関が提供するCMSの
基本的な機能は以下の3つに集約されます。

①プーリング機能

グループ全体の資金を一元管理する機能です。

一元管理することで、
グループ内の資金を上手く融通し合うことができ、
グループ資金を効率的に運用していくことが
可能になります。

②ネッティング機能

グループ取引が多くなればなるほど
グループ内の債権債務が発生します。

このようなグループ内債権債務を一元管理し、
差額決済の仕組みを作ることで、
金融機関への手数料等を削減することが
期待できます。

③支払代行機能

グループ各社における取引先への支払いや
従業員給与の支払い等を
グループ全体で一元管理し、
親会社等が一括支払いをすることで、
グループ内事務の合理化を図ることができます。

CMS導入の前に

CMSの概念自体は、
ご理解いただけると思いますが、
「CMS」というシステムを導入することと、
運用していけるかどうかは、
別問題だと考えています。

結局、
社内の資金マネジメントの考え方や
運用があって初めて、
ITシステムは生きてくるものです。

CMSを導入すれば、
グループ内の資金の課題をすぐに解決できる、
といったような魔法のツールではありません。

そもそも、
CMSのような「ITシステム」が無くても、
グループ資金管理は本来できるはずです。

社内の仕組みがあったうえで、
より効率的に動かしていくために、
ITシステムの力を借りる、
といった考え方の方が無難だと思います。

 

もしCMSに興味を抱いた場合には、
すぐにシステムに頼るのではなく、
まずは、今ある仕組みの中で、
グループ資金管理の方針を明確にし、
実践をしてみてください。

そのうえで、
自社に「足りない部分」を明確にしてみてください。

きっと、
CMS導入では補える課題もあると思いますし、
CMS導入で補えない課題もあるはずです。

 

これらをきちんと明確にしたうえで、
目的をもって、
金融機関が提供するCMSを導入しなければ、
「全く使えないITシステムが1つ増えるだけ」
という残念な結果になる可能性もありますので、
ご注意いただければと思います。

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