資産管理会社のデメリット
資産管理会社のメリットについて
お伝えしてきましたが、
当然、メリットばかりということはありません。
デメリットもあります。
いくつか挙げてみますと、
以下のようなデメリットが考えられます。
①法人維持コストがかかる
②社会保険料等の負担が生じる
③事業会社株式と比べて換金性が低くなる
④資産管理会社株式の分散リスクは残る
上記のうち①②は、
資産管理会社特有の論点というよりは、
新たに法人を設立する場合には
共通して生じる論点です。
一方で③④は、
資産管理会社特有の論点といえるでしょう。
換金性が低くなるとは?
資産管理会社を設立すると、
事業会社の株式を
資産管理会社の方へ移すことになります。
つまり、
事業会社の株式を直接保有ではなく、
資産管理会社を通じた間接保有に
変えることになります。
そうなると、
個人として直接保有する資産としては、
「資産管理会社の株式」
となります。
事業会社の株式であれば、
もし株式譲渡したいときには、
譲渡できるかもしれません。
一方で、
これが資産管理会社の株式となると、
少し譲渡がしづらくなります。
換金したくても換金しづらくなる、
ということです。
個人資産を管理する会社の株式ということで、
譲渡する側も譲渡される側も
少し敬遠してしまいます。
ということで、
換金したいときに
換金しづらくなるという意味で、
デメリットの1つとなり得ます。
資産管理会社株式の分散リスク
資産管理会社を活用すると、
オーナー社長として
個人で保有していた事業会社の株式が
間接保有に変わります。
つまり、
オーナー社長は
資産管理会社の株式を保有し、
資産管理会社が
事業会社の株式を保有することになります。
こうすることで、
事業会社の株式がむやみに
分散されなくなるというメリットがあることは、
前回お伝えしました。
一方で、
資産管理会社の株式の方は、
今後相続等を経て
分散していくリスクはなお残ります。
事業会社の株式が
直接分散するわけではありませんが、
資産管理会社の株式の分散してしまうと、
オーナー家族の資産管理という意味では、
リスクが残ります。
結局、
資産管理会社を活用しても
一定の分散リスクは
残ってしまうということです。
最適な資産ポートフォリオを目指して
資産管理会社は、
きちんと計画を立てて、
その通りに事が進んでいけば、
想定したメリットを享受できます。
一方で、
事業であっても、
プライベートなことであっても、
予定通りにいくことばかりではありません。
どちらかというと、
長い目で見ると、
想定外のことが起こる確率の方が
高いかもしれません。
そのため、
資産管理会社を活用して、
常にメリットだけを享受するというのは、
とても難しいと言えるでしょう。
当然、
資産管理会社を活用する場合には、
綿密な計画を立てて取り組むことは必須です。
一方で、
計画外のことも起こり得ますので、
常に計画の見直しをしつつ、
そのときそのときで最善の選択をしていくことも必要です。
つまり、
資産管理会社は、
設立して資産を移転すれば終わり、
というものではなく、
常にPDCAを繰り返す必要がある、
ということです。
このようなPDCAを通じて、
オーナー社長として、
また、オーナー家族としての
個人資産の最大化に取り組んでいく姿勢が
求められます。
最終的にはご自身の資産ですので、
専門家に丸投げしすぎず、自らも勉強しながら、
中長期的に取り組んでいただきたいと思います。
ときには失敗することもあるかもしれませんが、、
ご自身で勉強し、努力をしていくことで、
「資産管理会社を活用した最適資産ポートフォリオ」
が見つかるはずです。