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Vol.94 ホールディングカンパニー人材=社内コンサルタント?

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私はコンサルタントとして
企業のサポートをしていますが、
コンサルティングに対する考え方は
経験を重ね、歳を重ねるごとに
変わってきました。

昔は、
出来る限り自分で手を動かし、
自分で完璧と思われる仕組みを作ってあげることが、
クライアントにとっても、
最も良い仕事だと思っていました。

一緒に手を動かすことで、
クライアントからも感謝されますし、
今でも手を動かすのは好きです。

但し、
このやり方だけでは限界が来ることも
実感するようになりました。

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つまり、
私が抜けてしまうと、
クライアント自身で、
なかなかその仕組みを動かせないのです。

というよりは、
クライアントが「依存状態」になってしまうのです。
そうなってしまうと、
ある時点で急にクライアントの成長が
止まってしまうのです。

私なりに悩んだ結果、
行きついた結論は、
「コンサルタントである自分が
クライアントの成長を止めている」
という思いでした。

その頃から、
少し考え方を変えるようになりました。

1日でも早く
クライアントが私のサポートから
卒業できるにはどうしたらよいのか?

このような考え方に切り替え、
クライアントが「自立」「自走」できる
仕組みを作ることを、
心掛けるようになりました。

そうすると、
クライアントの成長が再開し始めました。

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ときには、
私がこうすべきだと思う方向とは違う決断をして、
進んでいくような局面も増えてきました。

それでも、
クライアント自身が考え、悩み、決断する
という姿勢は、
クライアントの成長には欠かせません。

最終的な正解は、
クライアント自身、つまり経営者が
決めるしかないのです。

少し余談が長くなりましたが、
なぜこのようなことをお伝えしているかというと、
ホールディングス経営には、
「コンサルティング機能」
がとても重要な要素だと思っているからです。

つまり、
ホールディングカンパニーが
社内コンサルタントとして活躍すること。
この形こそが、
これからのホールディングス経営の
目指すべき形ということです。

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前回お伝えした
トップセールスマンのお話も、
この「コンサルティング能力」と
密接に関係します。

コンサルタントというと、
外部の専門家のイメージが強いかもしれません。

確かに
企業として成功していくためには、
外部専門家・コンサルタントを上手く「活用」する局面は、
不可欠です。

但し、
何も企業外部にばかり
コンサルティング機能を依存する必要はないはずです。

社内完結できるのであれば、
それに越したことはありません。

たとえ一時的に
外部のコンサルタント・専門家に
力を借りたとしても、
その経験を、きちんと「社内ノウハウ化」して、
自立・自走できる仕組みにすることを、
その最終目標にすべきだということです。

つまり、
これからの時代は、
社内にコンサルティング機能を有していくことが、
とても重要な競争優位になっていく、
ものだと考えています。

いわゆる
「社内コンサルタント」
の存在が重要になるということです。

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別に特別な資格が
必要なわけではありません。

たとえば、
トップセールスマンであれば、
そのトップセールスの生きたノウハウこそが、
立派な専門性です。

つまり、
意識が高く、自己投資をして
努力をしている社員であれば、
誰もがコンサルタントに不可欠な「専門性」は
持ち合わせているはずなのです。

但し、
専門性があるだけでは、
コンサルタントとは言えません。

コンサルタントは、
その専門性というノウハウを
自分のためや自己満足のために使うのではありません。

他者が使える形にして、
他者を動かしていくことが、
コンサルタントに求められる要素です。

つまり、
社内コンサルタントとして
自身のノウハウを
会社のため、同僚ため、部下のため、
活用すること。

そして、
他者を巻き込み、動かしながら、
そのノウハウを組織知に変換していき、
会社や同僚を成長させてあげること。

「他者の成長=自身の喜び」にできるかどうか。

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このような社内コンサルティング機能が
重要な時代になってくるはずです。

そして、
この考え方にとてもマッチするのが、
ホールディングス経営、
というスタイルです。

つまり、
ホールディングカンパニーの立ち位置と、
社内コンサルティング機能の役割が
とても親和性があるからです。

そのためには、
ホールディングカンパニーに
社内コンサルティングの役割を
ミッションとしてきちんと与え、
思い切って現場のエースを登用することです。
(参照:Vol.93 トップセールスマンだからこそホールディングスへ

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そして、
現場のエースには、
きっぱりと「プレイヤー」を卒業していただき、
社内コンサルタント役割に専念していただくこと。

そうすれば、
グループ社員各自が考え、決断し、
成長していけるような組織に、
生まれ変わっていくはずです。

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