複数会社化し、
グループ経営をしていると、
自然とグループ会社間での取引が増えてきます。

いわゆる「グループ内取引」です。

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たとえば、
販売部門と仕入・製造部門を分社する形で、
2つの会社にした場合には、
もともと2つの会社の間での取引を予定して
グループのデザインをしていると思います。

また、当初予定通りの取引だけに終わらず、
新たな取引が始まったり、
人材の行き来が生じたり、
お金の貸し借りが生じたり、
といたことも自然と増えてくる傾向にあります。

グループ内取引が増えても、
きちんと管理ができていればよいのですが、
グループ内取引が多岐にわたることで、
グチャグチャになっていく会社もよく見かけます。

このようなグループ内取引は
純粋な外部業者との取引ではないため、
管理がルーズになりやすく、
注意が必要です。

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また、複数会社化することで、
当初は外部の顧客を見ていた社員も、
グループ内取引が増えるにつれて、
グループ会社の方ばかりを見て仕事をするようになる、
といったことも起こります。

つまり、
「顧客=他のグループ会社」
という意識になってくるのです。

確かに直接的な顧客は、
グループ会社になる場合はありますが、
グループ全体を1つの企業体として考えた場合には、
真の顧客は、グループ外の外部顧客のはずです。

外部顧客からの受注があって初めて、
グループ全体としての収入が増えるのです。

グループ会社同士で売上を作っても、
実質的にはあまり意味がありません。

たまに、
「グループ全体の売上高は●●億円です」
と言っている社長に、よくよくその中身を聞いてみると、
その多くがグループ会社間の取引で作られた売上で、
実質的な外部からの売上は、
1ケタ少ない、といったこともよくあります。

ただ単に複数の会社を経営することを目指すのであれば、
それでも別に良いのですが、
真の連結グループ会社経営をするためには、
外部顧客からの売上にこだわる組織を
作っていかなければいけません。

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結局、外部顧客からの収入があってはじめて、
グループ会社の業務が成り立つのです。

それにもかかわらず、
各社が売上拡大を目指すこと自体が目的となり、
意味の無いグループ内取引を増やすようなことになっては
本末転倒です。

当然、機能別に会社を分けたりしている場合には、
必要なグループ内取引は存在すると思いますが、
グループ内取引が増え過ぎると、
真の外部顧客の姿が見えづらくなる傾向にあります。

真の連結グループ経営を目指すのであれば、
グループ内取引を必要最低限におさえ、
グループ各社が「外部の真の顧客」を見て業務を実施する、
といった組織を経営者として作り上げていく必要があります。

但し、現実問題として、
グループの各社はグループの全体像が見えづらい、
といったこともあり、
「外部顧客の姿を意識できない」
といった声もよく聞きます。

このような場合において、
ホールディングス経営の場合には、
ホールディングカンパニーが重要な役割を担います。

ホールディングカンパニーは
グループの全体像を一番よく把握しており、
子会社のこともよく把握できるはずの存在です。

そのため、ホールディングカンパニーには、
「なんらかの形で外部の真の顧客の姿をグループ各社に見せてあげる」
ことを意識していただきたいのです。

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つまり、
ホールディングカンパニーは、
グループ全体を俯瞰的視点で捉え、
グループとしての真の顧客を明確に定義したうえで、
グループ各社が真の顧客を実感できるようさせてあげること、
これが重要な業務になります。

グループ内取引のすべてが悪いわけではありません。
必要なグループ内取引も多くあります。

とはいえ、
グループ各社にとっては、
それが必要なグループ内取引なのか、不必要なものなかは、
意外と判断ができないものです。

各社は1つの法人として、必要だと思い、
他のグループ会社へ取引を行っているのです。

但し、
各社が個別最適で動いていても
グループ全体として最適な形になるとは限りません。

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連結グループ経営において、
グループ全体最適を目指すことが重要なことであり、
そのためにはホールディングカンパニーが、
全体を俯瞰的に見てコントロールする必要があります。

グループとしての真の顧客は誰か?
そのために必要なグループ業務は何か?

この問いに対する回答を明確にしておければ、
グループ内取引が必要なものか、不要なものか、
の判断も自ずとできるはずです。

あくまで起点は、
グループとしての真の顧客との取引です。

これがあってはじめて、
グループ内取引が発生するのです。

グループ内取引の方が起点になっていないか、
経営者には、是非再確認をしてみていただきたいと思います。