会社の規模が大きくなり、
成長してくると、自然と、
グループ経営の段階に移ってきます。

但し、
「グループ会社がすべて黒字で
資金的に余裕があるグループ会社ばかり」
といった状況をいきなり作り上げるのは
難しいものです。

複数会社化していく理由として、
新規事業といった
先行投資的な位置づけの子会社を作ったり、
機能別に会社を分けたりすることも多いため、
どうしても収益を生みづらいグループ会社も
出てきてしまいます。

そして、
収益が生みづらい状況の中では、
「資金」が枯渇していくため、
収益性の低いグループ会社は、
何らかの形で運転資金の調達を迫られます。

Vol.41(1)

 

とは言っても、
グループ内の子会社が
外部の金融機関から直接借入れが
出来る場合ばかりではありません。

そのため、
全くグループ外から資金調達するのではなく、
まずはグループ内の余力のある会社から
資金融通を受ける、
というのが一般的かと思います。

このような感じで、
グループ経営が進んでくると、
必然的にグループ内の資金の貸し借りも増えますし、
グループ内取引から生じる支払いも
増えていきます。

 

このこと自体は問題があることではありません。

但し、
きちんとグループ内の資金を
管理しておかなければ、
無駄なコストがかかったり、
グループ内債権債務がグチャグチャになったりします。

そして、この状態が続いていくと、
社長、親会社、子会社、外部金融機関、
といった関係者間で、
徐々に資金のやり取りが
整理できなくなる段階が訪れます。

一度グチャグチャになると、
なかなかきれいな状態にもっていくのは、
容易ではありません。

関係者間それぞれの立場で、
それぞれの意思が働くため、
きれいにしようと思っても、
きれいにできなかったりもします。

Vol.7(2)

 

そして、このことは、
徐々に本業にも悪影響を
及ぼしていくことになります。

資金繰りに奔走し、
本来実施すべき顧客へのサービスの方が
疎かになったり、
本業に時間が避けなくなったり、
といった状況に陥ります。

また、
精神的余裕がなくなることで、
サービスの質が低下していきます。

 

グループ経営の場合には、
少なからず起こり得る状況ですが、
それでもグループ内の資金管理が
きちんとできている会社と、そうでない会社とでは、
グループの力に「大きな差」が生じてきます。

このような「大きな差」は
経営者としての意識レベルによって
生じてしまう側面もありますが、
それ以上に「グループ経営の仕組み」自体に
問題があるケースも多いものです。

Vol.17(2)

 

この「仕組み」とは、つまり、
・きちんとグループ組織デザインができているか?
・グループ資金の見える化ができているか?
・そのうえでグループ資金管理のデザインができているのか?
・そのデザインは運用できるものなのか?
といったようなことです。

このようなことを
きちんと意識したうえで
「グループ資金管理の仕組み」を
構築しているかどうかで、
グループ経営力に「大きな差」が生じるのです。

 

1つの会社より2つの会社にした方が、
資金管理が難しくなります。

2つの会社より3つの会社の方が、
さらに資金管理が難しくなります。

グループ会社数が増えれば増えるほど、
きちんとした「グループ資金管理の仕組み」を構築し、
運用していくことが重要になる、
ということです。

 

単一会社経営とグループ経営は
構造自体が異なります。

グループ経営を、
1つの会社の経営と同じ感覚で行っていると、
壁にぶち当たる局面が
どうしても出てきます。

良いときはそれほど問題は表面化しませんが、
いったん歯車が狂うと、
グループ会社数が多いほど、
コントロールが難しくなってきます。

その結果として、
最終的には「お金」の問題に行きつきます。

Vol.17

 

そのような危険な状況に陥らないように、
グループ組織デザインをするうえで、
「どのようにグループ資金を管理するのか?」
といった視点も意識して、
仕組みを作っていただきたいと思います。

グループ経営を実践していくなかで、
思い通りにいくことばかりではないため、
万が一、思い通りにいかなかったとしても、
グループ内で資金が上手く回るような
仕組みを作っておくことが必要です。