横串管理

グループ経営において、
強化していきたい項目として、
「横串管理」
の視点があります。

つまり、
グループ各社の業務を標準化したり、
グループ各社を同じ視点で管理したり、
といったことです。

 

Vol.34(2)

複数の会社を経営するためには、
それぞれのグループ会社が
好き勝手なやり方で業務を遂行している状況では、
グループ経営者としても、
グループ全体を管理し、統制していくのが
難しくなります。

グループ会社が増えれば増えるほど、
グループ内の「横串管理」「標準化」をできるかどうかが
重要なポイントになると言えます。

 

つまり、
グループ会社数が増えれば増えるほど
1社あたりにかけられる時間が少なくなるため、
より短い時間で、より的確な経営判断を
実施していける仕組みの構築が重要になる、
ということです。

横串管理に最適なホールディングス経営

グループ経営において重要になる「横串管理」ではありますが、
この「横串管理」に最適なグループ組織デザインは、
ホールディングス形態と言っても良いと思います。

と言うのも、
ホールディングス経営の場合、
・ホールディングカンパニー:グループ経営管理をすることが主目的の会社
・グループ各事業子会社:横並びの資本関係
という特徴があるため、
自ずと「横串管理」の取り組む環境が、
整っているためです。

Vol.38(1)

 

但し、当然ではありますが、
ホールディングス化したからといって、
自然と「横串管理」ができるようになるわけではありません。

あくまで、環境面として、
ホールディングスは「横串管理」に適している
というだけです。

 

ホールディングカンパニーが、
「横串管理」を1つの目的として
意識的に取り組まない限りは、
効果的な「横串管理」をしていくのは難しいでしょう。

 

それでは、
「横串管理」を進めていくために、
ホールディングカンパニーとして、
どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか?

この点をもう少し考えてみたいと思います。

帰納法と演繹法

グループ内の「横串管理」を進めるにあたっては、
実務的には、
・帰納法的活動
・演繹法的活動
を組み合わせたり、繰り返したりすることが
考えられます。

 

帰納法的活動とは、
各グループ子会社の実態を収集し、確認をすることで、
1つの形(=標準)に集約をしていくような活動です。

つまり、
現場(各事業子会社)の事例をもとに、
グループとしての方針・ルールといった「標準」を
作り上げる活動です。

 

一方で、
演繹法的活動とは、
グループとしての方針・ルールといった
「標準」を各グループ会社へ伝え、落とし込んでいく活動です。

 

この「帰納法的活動」と「演繹法的活動」は
どちらか一方だけが必要と言うわけではなく、
両方をバランスよく実践していくことが
ホールディングカンパニーには求められると言えるでしょう。

ホールディングカンパニーが理想だけを求めて、
現場とかけ離れた「標準」方針・ルールを作ったとしても
それを現場に浸透させていくのは難しいですし、
一方で、各現場へ配慮し過ぎて、
ホールディングカンパニーが理想形を見失うと、
「標準」方針・ルールを作り上げるのは難しいものです。

 

結局は、
・帰納法的活動
・演繹法的活動
の繰り返しとバランスを図ることが
ホールディングス人材には求められるということです。

横串管理のスタートライン

グループ経営といっても範囲が広いものです。

グループ内の「横串管理」のために
「帰納法的活動」「演繹法的活動」を実践しようとしても
どこから、どのように手を付ければよいか、
実際には悩まれるのではないでしょうか?

 

やみくもに現場の実態を帰納法的に集めて
グループとしての「標準」を作ろうとしても、
逆に収拾がつかなくなってしまいます。

また、グループとしての標準を作って、
演繹法的に各グループ子会社に実践してもらおうとしても、
なかなか現場がついてきてくれないことも
よくあることです。

 

そこで、
これから横串管理を始めようとしている経営者のために、
何から始めれば良いかのポイントをお伝えして、
今回は終わりにしたいと思います。

 

早速ではありますが、
横串管理を進める際に
最初に行っていただきたいことは
何かと言うと、

———————-
横串管理のための
アウトプットの形を決める
———————-

ということです。

Vol.37(3)

つまり、
帰納法的に現場の実態を収拾するにしても、
その前に、まずは、経営者自らが、
横串管理に活用するアウトプットの形を
具体的にしておく、ということです。

グループ各子会社の情報を
どのような視点で、
どのようなフォーマットで確認したいかを、
経営者自らがまず決めておくということです。

 

たとえば、
「売上情報」
を例に考えてみたいと思います。

 

売上といっても、
・客数
・単価
・商品
・得意先
といったような要素に分解できます。

経営者としては
自分なりの視点・切り口で
各グループ会社の現場の実態を把握したいはずです。

 

「どのような切り口で売上情報を知りたいのか」
「それをどのような資料形式で知りたいのか」
「それをどのタイミングで知りたいのか」

このようなことを
まずは具体的かつ明確にしておく、
ということです。

 

そうなると、
グループ横串管理用のアウトプット(ゴール)が明確になるため、
「帰納法的活動」や「演繹法的活動」において
やるべきことも明確になっていきます。

 

アウトプットに必要な情報は、
今現在、各現場でどのように把握されているのか?
(もしくは把握されていないのか?)

アウトプットに必要な情報という視点で、
グループ会社ごとの違いはどうなっているのか?

そのための、
ITシステムの状況はどうなのか?
人の状況はどうなのか?

 

このような感じで、
横串管理に活用される
アウトプットという「軸」が明確になれば、
横串管理体制構築のスタートが切れる、
ということです。

★★★★★★★
横串管理の仕組みを
構築できていますか?
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